おせち料理の一つ『なます』の意味、言われ、由来を紹介します。
「なます」ってどんな料理
「なます」は、元々は古代中国の言葉で、
切り分けた肉や魚を調味料と合わせて、生で食べる料理を指していました。
日本ではこれが転じて、魚介・野菜・果物を細く又は薄く切り、酢で和えた料理を指します。
「まなす=酢の物」と考えた方が分かりやすいかもしれませんね。
おせち料理としてのなますは、全国的には大根・人参を材料として使うのが一般的で、
地域によっては、大根と人参に加えて、梅、鮭、しめ鯖、レンコンなど様々な食材が使われています。
大根と人参が織りなす紅白の色合いによる見栄えのよさ、
酢や砂糖によるさっぱりとした味わい、低カロリーで健康的であることが人気の理由となっています。
「なます」のいわれ
紅白なますとも呼ばれるように、大根と人参の色合いがお祝いの水引の紅白であることから、
平安や平和の願いが込められています。
「なます」の漢字
「なます」を漢字で書くと、「膾」と「鱠」の2つの漢字がありますが、
肉を使ったなますを「膾」と書き、魚を使ったなますを「鱠」と書きます。
食材によって「膾」と「鱠」に使い分け、特に区別しない場合や区別が難しい場合は、
平仮名で「なます」と書くのが正しい使い分かもしれませんね。
「なます」の慣用句
「なます」は歴史が長いため、なますを使った慣用句がいくつもあります。
使う機会は少ないかもしれませんが、せっかくの機会なのでご紹介します。
・「羹(あつもの)に懲りて膾(なます)を吹く」 ・・・前の失敗にこりて必要以上の用心をすること
・「人口に膾炙(かいしゃ)する」 ・・・広く人々に知れ渡ること
・「膾に斬る」「膾に叩く」・・・滅多切りにする
・「蓴羹鱸膾(じゅんこうろかい)」・・・故郷を懐かしく思うこと
【参考】
https://www.oisix.com/shop.osechi–cont-type__html.htm
https://www.shop.post.japanpost.jp/shop/pages/osechi_iware18.aspx
https://www.oisix.com/shop.osechi–cont-namasu__html.htm
https://ja.wikipedia.org/wiki/膾
https://kotobank.jp/word/羹に懲りて膾を吹く-425662
https://dictionary.goo.ne.jp/word/蓴羹鱸膾/
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